ボーダレス・ジャパンでは、2023年3月17日~21日の5日間、ソーシャルビジネスの現場を知るボーダレススタディツアー in Bangladeshを開催しました。

全国各地から参加した大学生がそれぞれの学びや想いを綴っています。ぜひご覧ください。

【参加者レポート No.1 齋藤 智咲さん】

関西在住の大学4年生。(ツアー参加当時)4月から通う大学院では環境工学を専攻しており、中でもサステナビリティや脱炭素行動に関する研究を行う。
学外では、環境・社会問題に興味のある人が集まるコミュニティに参加しており、定期的に勉強会や交流会に参加。地球や社会にやさしい「エシカル」という概念を広げるため、イベントの企画運営にも携わる。

Q.スタディツアーに参加した理由を教えてください

BLJ Bangladeshの革工場で一緒に名刺入れを作成したメンバー

ソーシャルビジネスをこの目で見たい!と思ったからです。
私は高校生のころから、国際協力や社会問題といったものに関心がありました。
大学に入ってからは、実際に足を動かそう!と思い、短期の海外ボランティアに参加したり、その内容を個人のSNSで発信したり、「もっと多くの人に伝えたい!輪を広げたい!」と思い、イベント企画もしていました。

そんな中で、ビジネスで社会問題を解決する、ソーシャルビジネスをやっているボーダレス・ジャパンを知り、社長の田口さんの本『9割の社会問題はビジネスで解決できる』も読みました。
知るうちに、どんどんソーシャルビジネスに興味がわき、惹かれてきました。

でも、ただただ本を読んだり、調べるだけでは、本当のことはわからないし、”知っているつもり”と、頭でっかちになってしまうような気がして、「直接話を聞いてみたい!もっとリアルな現場を見たい!」と思うようになりました。
何かボーダレス・ジャパンに関わることで、ソーシャルビジネスをもっと知れないかなと考えホームページを見ていたところ、偶然今回のツアーの募集を見つけ、申し込みました!

Q.ツアーを通して得た学びや新たな気づきを教えてください

BLJ Bangladesh代表ファルクさんとスタディツアー参加メンバー

ソーシャルビジネスを社会問題に対する覚悟と信念のまっすぐさと同時に、自分の弱さを感じました。最も印象に残っているのは、BLJ Bangladeshの代表、ファルクさんのおはなしです。

私たちは、ファルクさんに、ファルクさん自身のこと、工場のこと、バングラデシュのことまで、たくさんのことを聞きました。そんな中でも、ファルクさんの話の焦点は、雇用しているスタッフ「メンバー」に向いていました。

何を話すにも、自分のことや会社の利益、名誉ではなく、「メンバー」が主語であり、第一に考えていることでした。「働きたいけど働けない人を減らす」「生活に困っている人を雇用する」というファルクさんの信念を感じました。

そして、私の心に一番残っているのが、「工場メンバーの幸せが私の幸せです」という言葉です。人生をかけて、社会課題に取り組む姿勢とその信念と覚悟を感じました。私は、心の底からかっこいいと思いました。

日本人が来たと聞いて続々と集まるスラムエリアに住む人々

スラムの方々は私たちをとてもあたたかく迎え入れてくれました。でも、スラムでは、鳥などを放し飼いしていたり、すぐ隣を流れる川は工場排水で真っ黒に汚れていたり。動物のにおいや、排水の硫黄のようなにおいがしたり、地面は泥でぬかるんでいる所もありました。

幼い子どもの中には、服を着ずに、真っ裸で駆け回っている子もいました。日本に住む私たちの生活と比べると、衛生環境が良くないことも、教育が行き届いてないことも、わかりました。

でも、今の私には、すぐになにか手助けをしたり、そんな方々の生活をちょっとでもよくできるようなスキルもお金もない。それ以上に、関わろうとする勇気が持てない、と思いました。悔しい、と思いました。

それと同時に、もっと学んで、もっとスキルをつけて、今後ずっと、社会課題に向き合い続けたい、取り組み続けたいと思いました。

Q.ツアーでの経験をどのように生かしていきたいですか?

訪問した孤児院に住む子どもたちとセルフィ―タイム

私は、社会・環境問題に向き合い続ける、と決意しました。

今回のツアーを通して、本気で社会課題に向き合ってる人は、信念を貫き通していて、とてもかっこいい。私もそんな人になりたい、と強く思いました。だから、私も、もっと社会課題を解決できるようなことを使用と思いました。

そして、世界にはまだまだ知らないことがたくさんあるという事もわかりました。だから、今後も広い視野と学びは忘れずに、でも目の前にある社会課題から目を背けずに、考え、向き合い続けることから始めようと思います。

このブログをご覧の方へメッセージ

孤児院の中でも年上のお姉ちゃんたちと

直接見て体験して感じるものは、まったく違いました。社長のファルクさんをはじめ、工場の経営メンバーは目の前の社会問題にまっすぐに向き合い続ける、とてもカッコイイ人たちでした。
工場メンバーは、私たちを快く迎え入れてくれて、ていねいに教えてくれたり、お宅訪問したときには、たくさんのお菓子で出迎えてくれるとてもあたたかくやさしい人たちでした。

スラムや孤児院の子どもたちは、私たちといっぱい写真を撮ってくれて、素敵な笑顔であふれていました。でも、行って触れて感じないとわからない過酷な状況も感じることがありました。

こういった、些細で、言葉にできない人のぬくもりとその背景は、現地に行かないとわからないことでした。ちょっとでもバングラデシュやソーシャルビジネスに興味がある方は、機会があればぜひスタディツアーに参加してほしいと思います。

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