こんにちは!LFCフランス代表の川波です。夏休みも終盤に差し掛かりましたね。今夏、私たちは日仏合同で、小学生を対象に自由研究で生ごみをLFCコンポストで堆肥にし、野菜を育てて生ごみの栄養循環を体験するキッズ企画『なつやすみコンポスト大研究』を開催しました。まだ引き続き実行中の企画ですが、途中経過をご報告したいと思います。

二か国間で進めた初めての試み

今回日仏同時に限定販売した自由研究キットとは、LFCガーデニングセット(コンポストで堆肥を作り、野菜を育てるまでがひとつになったキット)と、自由研究用の観察日記などを内包するハンドブック、コンポストの中の温度変化を毎日観測する用の温度計が一緒になった商品です。それから子ども専用LINEサポート、合計4回のオンライン講座を開催し、子どもたちがコンポストの知識を深め、また疑問や不安を解消するサポートを設計しました。
SNSでの告知イメージ

本企画の目的として、日本とフランス、それぞれの子どもたちが家庭でコンポストに取り組み、お互いの成果を共有しあう事で、生ごみの廃棄が世界共通の課題であることを理解し、ひいては地球規模の環境問題に対応するための持続可能な未来の担い手を増やすこと、を掲げました。『環境問題』と聞くと、普段の生活とはかけ離れた遠い世界の出来事と思えてしまう。だけど、LFCコンポストをやってみたら、これまで捨てていた生ごみが、美味しい野菜を育てる栄養になることがわかった。じゃあ、ごみそのものを減らすにはどうすればいいだろう?日本とフランスでは、ごみの量はどちらが多い?-コンポスト体験を通して、子どもたちがどんどん新たな気づきや興味を得られるような企画にしたい。そんな想いで、日本側の担当者であるLFCコンポストアドバイザー平希井さんと二人三脚で、たいらさんのアドバイスを仰ぎながら企画を進めていきました。

コンポストって不思議!

7月中旬から8月上旬にかけて、合計4回のオンライン講座を開催しました。各回数十名の小学生に日本とフランスから参加いただきました。ただし、フランスはバカンス真っ最中!日本と違って、丸々2か月間宿題もありません!ですので、蓋を開けてみたら、コンポストをお留守番させて旅行に出かけられたご家庭が大半という結果に(笑)。それでも、zoomの画面を介して、二か国の子どもたちがコンポストについて知識を深め、お互いの国のごみについて考え、交流する機会となりました。

上の写真は、オンライン講座にも参加いただき、LINEへ送っていただいた小学1年生のEちゃんの観察日記です。コンポストへ入れたものや、温度の変化も詳細に記されて素晴らしいですね!

講座では「生ごみをごみ箱に捨てたら臭いのに、コンポストに入れたら臭いがしなくて不思議!」といった気づきや「キャンプで留守にする間はコンポストをどうすればいいですか?」といった質問が交わされ、NHKの子ども科学電話相談さながらの盛り上がりを見せました。

成果の共有、そして栄養循環の継続実践を目指して

堆肥ができたあと、野菜を育てて収穫し、食べるまでが自由研究キットの一連の流れとなっていますが、自由研究を提出し終わった後も、コンポストに取り組んだ成果を共有しあう仕掛けを準備中です。本企画に協賛いただいている、株式会社インフォバーンIDL (INFOBAHN DESIGN LAB.)チームのご協力のもと、子どもたちのアウトプットを学級新聞のようなイメージで可視化し、秋以降に皆さんへお届け予定です。また、お互いの挑戦を賞賛し、更なる交流を図るイベントの開催も計画しています。これらについては、LFCコンポストのSNSで最新情報をお知らせしていきますのでお楽しみに。

最終的には、折角始めたコンポストを夏休みの終了と共に終わりにせず、ぜひ当たり前の習慣とし、継続して生ごみの資源化に取り組んでいただきたいと願っています。子どもたちが主体となって、コンポストのお世話をしていけば、台所に立つ家族の協力も得やすいはずです。今回は私たちにとっても新たなチャレンジでしたが、今後も未来の地球を担う世代に向けた、エコロジーの入り口をコンポストを通じて提供していくことができたらと思っています。

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