皆さん、こんにちは。
スマイルバトンの三原菜央です。

先生を対象とした月額495円(税込)の教育メディアコミュニティ「先生の学校」を運営し始めて、1年7ヶ月が経とうとしています。

子どもたちが受け取って思わず笑顔になる社会づくりがしたくて始めた起業ですが、挑戦して本当に良かった…と思える日々を過ごしています。

そんな私ごとですが、小学校教諭の母が12月23日に還暦を迎え、2022年3月には定年退職を迎えます。

再任用で働く選択肢もありましたが、少し離れた場所に住む両親への恩返しがしたいと、4月からは無職となります。
 
私を22歳で産んだ母は、私を産んだ1年後に小学校の先生としてキャリアをスタートさせたため、保育園のお迎えは祖父が、小学校は学童保育で放課後時間を過ごし、夕食は祖母が作った料理を食べるのが日課でした。
 
母を思うとき、幼少期に一緒に遊んだ記憶というのは、正直ありません。それでも、私の「やってみたい。挑戦してみたい。」という気持ちを、最終的に尊重し背中を押してくれるのは、いつも母でした。
 
そんな母が一度だけ、私の背中を押してくれなかったことがあります。それが大学1年生の頃に、学びたいことが変わってしまい「大学を退学したい」と相談したときのことでした。
 
「自分で決めたことをやり遂げられないような人間は、何をやってもうまくいかない。今の限りある環境の中で、あなたがやりたいことを実現するにはどうしたらいいか、考えなさい。」
 
そう一蹴されました。
 
その言葉もあり、私は大学を退学せずアルバイトでお金を貯め、大学2年生から2年間、昼は大学、夜は専門学校に通うというダブルスクールを経験しました。
 
この経験が、本当の意味で「わたしの人生」を生きる楽しさを教えてくれました。
 
実は母も、短大から大学に編入して教員免許を取得するという、当時としては困難な道を歩んだこともあり、どんな環境にあっても、自分の人生は自分の手で切り開くことができると信じていました。
 
そんな強い思いで教員になった母の教員人生が一旦幕を閉じようとしています。
 
母は毎週、市の図書館で子どもの発育・発達に関する書籍や、心理学に関する書籍などを借りては学びを深めていました。母が学びを止めたところを見たことがありませんし、正義感が強く校長先生にも意見を恐れずに言うようなタイプだったようですが、だからといって聴く耳を持たない人でもありませんでした。
 
やはり年齢を重ねるにつれ、体力的に苦しいことはあったようですが、約3年前に母の働く姿を見ておきたいと思い、母の勤める小学校の運動会を当時0歳だった息子を連れて見に行きました。

そこには子どもたちとハイタッチしたり、声を張り上げて汗をかきながら、若い先生たちと共に奮闘する母の姿がありました。
 
今の日本の教育に対して、いろいろな見方があると思いますが、私は毎日子どもたちと向き合い、教壇に立ち続ける先生たちを、心から尊敬しています。
 
並大抵の努力ではできない。自分のたった8年の先生経験からもそう思います。だからこそ、メディアなどで「先生」が大きな括りで一緒くたにネガティブに語られることがあると、胸が苦しくなります。
 
先生も十人十色。
一人ひとりに物語があり、思いがあり、そこを丁寧に世の中に伝えていきたい。私が「先生の学校」を続ける理由は、そこにあります。
 
先生を取り巻く環境は決して明るくありません。定年以外の退職者数も増えていますし、なり手も減っています。変わっていかないといけないこともたくさんあります。でも先生という仕事は、希望です。
 
2022年、まだまだ先行き不透明ではありますが、「先生の学校」は先生方の良き伴走者となれるよう日々努力を重ねていきたいと思っております。
 
「先生の学校」のミッションである「先生と子ども、両者の人生を豊かにする」をより前進させるため、2022年の夏頃には新しい取り組みも発表させていただきますので、ご期待いただけますと幸いです。