
こんにちは!
産後うつを”予防”するための事業を創るために昨年からボーダレスグループに参画している、ママバラの上条です。13歳(中2)と8歳(小3)の2児の母です。今日は事業をスタートしたきっかけと、現在までの経過についてお伝えさせて頂きます。
きっかけは、私の体験でした
私は、第一子出産後、子育てに悩み続けた結果、産後うつにまで至ってしまった経験があります。そこから、とあるキッカケを機に抜け出すことができ、子育てのイライラやストレスが激減し、さらに、母親としても子育てを楽しむことができるようになり、ひとりの大人としても自分の人生を楽しむことができるようになりました。
無自覚な産後うつ期間の写真(表情がありません)
産後うつを克服してからの写真
この原体験から「自分のように子育てに悩んでしまうママをサポートしたい」「自分が得た気付きや、キッカケを提供できれば同じように悩むママを減らすことができる」そう思って2年ほど母親向けの子育てセミナーの講師として活動をしてきました。
約400名の講座の卒業生からはありがたいことに「子どもとの向きあい方が変わって、子育てが楽しくなった」「はじめて”母親”ではない”わたし自身”としての時間をもつことで結果的に子どもや夫との仲がよくなりました」などのお声を頂き、実際に講座の卒業後には悩まれていたママ達がイキイキと変わっていく背中をみせてくれました。
そこにやりがいや充実感を感じる一方で、自分一人の力で伝えていける影響力と持続可能性の限界を感じるようになりました。
個人の活動から事業をつくりたいへ
「娘が子どもを生み育てる未来まであと約10年しかない」そう思ったら、【個人での活動】ではなく【社会を変える事業】としてやらないと、「子育てが辛い」そう感じるママをゼロにすることはできない!という結論に達し、2018年に市民団体としてママバラを発足し、2020年4月にはNPO法人を設立してその手段を模索している最中にボーダレスジャパンを知り参画させて頂きました。
私が【個人での活動】ではなく【社会を変える事業】としてやりたい!そう思って団体を立ち上げた背景として大きな要因がもうひとつあります。それは、産後のママたちの悩みが10年間ずっと同じ。という事実を目の当たりにしたからです。産後のママ3人に1人が利用しているというアプリの掲示板のお悩み投稿が、私が10年前に悩んだ悩みと同じ悩み、同じ葛藤がズラッと投稿されていたのです。
ママ支援・子育て支援・ママ向けサービスがこんなにたくさんあるのに、どうして産後のママたちは同じ状態になってしまうんだろう…。このまま何もしなかったら、今から10年後もきっと同じだ。そうおもったら居ても立っても居られず、思いつくことを手あたり次第行動に移して、クラウドファンディングで仲間と資金を(138人から170万7,000円ご支援頂きました)集めたり、法人を設立したり、名古屋市から子育て支援拠点事業を受託したりしながら、課題解決に向けた手段を模索してきました。
手探りで市民団体として活動していた時の写真
ボーダレスのサポートを受けたことでの気づき
気が付けば、自己流でなんの進展もないまま2年が過ぎようとしていました。対外的には、仲間が増えたり、自治体から事業を受託していたりと進展しているように見られることが多かったのですが、「日本中から子育てを辛く感じる母親をゼロにし、心の底から幸せな母親を増やす」という目的に対して、必ず成果がだせる有効な手段も見つけられていないし、目的達成まで活動を継続し続ける資金源のメドも立っていない。という、毎日が断崖絶壁に立っているような気持ちでした。
そんな中で、『社会課題をビジネスで解決する』プロ集団のボーダレスジャパンをカンブリア宮殿で知り、もうココしかない!と即決でエントリーをして今に至っています。
ボーダレスグループの社長陣全員から事業承認を頂いたときの写真
昨年10月から現在までの約半年間、子育てに悩むママに向けて、オンラインコミュニティとオンラインセミナーを提供する。という手段で、課題(子育てを辛く感じる母親をゼロに)は解決できるのか?という仮説検証をおこなってきました。
その結果、現在の手段では難しいということが分かりました。
今回のことから、私は大きな気付きを頂きました。
私が解決したい!と思っている子育て現場の社会課題への向き合い方にバイアスがかかってしまっている。ということです。
「私は、子育てを辛く感じたことがある当事者だからママの気持ちが分かっている。」
「何を提供したら母親の悩みがなくなっていくかを、実際にセミナー講師としても見てきたから分かっている。」
当事者で、原体験があることが強みだと思っていたけれど、それが逆に邪魔をすることもある。ということを身をもって実感せざるを得ない現実が目の前に突きつけられました。
ここまでに半年間という時間と、約400万円というお金(ボーダレスグループの黒字化している事業からの資金提供)と、事業の立ち上げサポートで入って頂いたボス(代表の田口社長)をはじめ、SUS(スタットアップスタジオ)やBUS(バックアップスタジオ)の皆様、ママバラの公式アンバサダーをはじめ本当に多くの人の応援のチカラを頂いてきました。それなのに、うまくいかなかった。
私はこの失敗から、課題や対象者に対してバイアスをかけずに向き合い「いま、子育て現場におきている課題」をまっすぐ見つめ、「ママのお困りごと」にフラットに耳を傾けることの重要性を学びました。
フラットに課題と向き合う
自分自身の心の姿勢を変え、課題をクリアな視界でみる訓練を行い、対象となるママへ直接お話を聞かせて頂くということを徹底的に繰り返しています。気付きから1か月が経ったいま、「子育てが辛い」そう感じるママを“なくす”のではなく、“うみださない”こと。という課題の捉え方をすることが、根本解決につながる。という新たな観点に着目し、現役子育て中のパパ・ママから直接お話を伺いながら、今まさにサービス設計全体のリプランニング中です。
社会課題を解決できる事業を創るために「失敗はしてもいい」「はじめから正解なんてことはない、失敗から何を学んでどう生かすかが大切」と、トライ&エラーを許容し、伴走しつづけてくれるボスに頭が上がりません。
ボスとのMTGの様子
産後うつによる自殺、児童虐待など、子育て現場での悲しいニュースが流れるたびに「あのお母さんは私だったかもしれない...」と、心臓がギュッと痛みます。私はたまたま首の皮一枚の理性が残っていただけだったと思うから。毎年約100万人(最近は100万人を割ってしまいましたね)の子どもが生まれているのに、10年経っても変わらない産後のママの悩みを聞くと一緒に泣いちゃうくらい共感できる原体験は、私のモチベーションの源泉なので、これはこれで大切にしたまま、『原体験があるから見えなくなるものがある』という気付きをプラスして、経営者として必要な冷静且つフラットで緻密な分析力も鍛えながら課題の解決に邁進してまいります。
心の底から笑って子育てできるママとパパで溢れる社会を目指して、ママバラは事業で課題を解決していくために引き続き頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いします。
また、新しいプランが固まりましたら、ご報告をさせて頂きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。