先日、国際協力や国際開発に興味のある学生が一堂に会した
IDPC(International Development for Progress and Change)という学生主催のイベントで、講演をさせて頂きました。

僕が皆さんに伝えたかったテーマ。

「志へは遠回りするな。そのまま最短距離を突き進め。」

講演会後に、たくさんの学生からいろいろと声を掛けられたりメールを頂いたので、インパクトがある話ができたと思います。

image2

開口一番、私が講演の初めに学生のみなさん問うたのは、

「ここにいる約60名の学生のうち、将来、国際協力や国際開発の道に進みたい人?」というもの。
もちろん、彼らは全員、そういう仕事をしたいと思っているので、全員が手を挙げます。

「では、そうは言っていても、本当に国際協力や国際開発の道に進むのは何人か?」
という質問をしてみたら、みなはもちろん「全員でしょ」という顔をしている。

「残念ながら、このうちの10%もいないんじゃないかな」、と伝えた途端、みんな「マジか!?」とビックリ。
そりゃそうだ、みんな国際開発、国際協力を本気で目指そうとしている学生なんだから。

でも、事実、マジなんです。

なぜ、国際開発を志す学生のほとんどが、その道に進まないのか。2つの理由があると思います。一つ目は、本人の覚悟。そして、二つ目は進める道が限られているということ。

ブログでは3回に渡って、このテーマについて書いていきます。
前編では「本人の覚悟について」、中編では「覚悟ある学生はどんな走り方をしているか」、後編では「彼らが進める道について」。

image3

新卒採用を毎年やっている僕は、たくさんの学生と出会う機会があります。就活生だけではなく、今回のIDPCで出会った学生のみんなのような大学1,2年生や中には高校生にも。

大学1,2年の学生は、「何とかして貧困問題を解決したい!」と真剣にさまざまな活動に取り組み、NPOやNGOでインターンをしたり、学生団体をつくって学校を建設したり、フェアトレードの仕組みを創り出し、現地に何とかインパクトを出したい、と東奔西走、走り回っている子が多い。
これは何も貧困問題に限ったことではなく、それぞれの学生が問題意識を持つ、環境問題や差別偏見の問題など、国内海外を問わず、一生懸命「社会問題」の解決に対峙しようとしています。

その中でも、「本気で」社会問題を解決しようとしている学生がいる。非常に少ないですが。彼らは、解決のために、何が最短距離かを常に模索し、走り続けている。

image12
彼らの中にも、最短距離を走り続けている学生がいるはず。

本気の学生は、スピードがケタ違い。
行動から決断、そしてまた行動。どんどん前進していく。

でも、大学3年生になったとたん、状況は急変します。
そこに立ちはだかるのは「就活」という2文字。

それまでの、「馬車馬のごとき突っ走り型」の姿はどこえやら。
急に「よく考えなきゃ」モードに入る。

やっぱり、ちゃんと就職して、ちゃんと収入を得て。
親にもそういわれるし、周りの学生への見栄もある。
「人生の諸先輩である、オトナたち」に話を聴くと、いろんなことを言われる。

「名の売れた会社に入った方が、ツブシが効くよ」。
「有名企業で力をつけてからでも遅くないよ」。
「社会貢献なんてのは食えないよ、家族も大切だろ」と。

実際、いろんな会社で働くいろんな大人たちは、自分が経てきた人生を良しとしたいもの。
「ここで働いて〇年、こんな経験をさせてもらえて『成長できた』」という言い方をするでしょう。
そして、今働いている会社のことを、最大限、肯定する。

そりゃそうです。自分が働いている会社や仕事のことを否定はできん(笑)。自己否定になってしまう。これはどんな会社の誰もが同じ。

こんな話を聴き続けると、
「一般企業もいいかも。確かに実力はないし、お金もない。だったら、一度、バリバリ働く素敵な仲間がいる会社に入って、力を蓄えよう。」と、就活して一般企業に入社することが、「正しいこと」になっていく。

そうやって、一般企業に入社した人のほとんどは、二度と社会問題の解決の道には戻ってきません。
目の前の仕事はそれなりに面白い。仲間もいる。結婚して子供が生まれ、家庭を守らなければならない。という理由をつけて、なかなか飛び込めなくなるんですね。

そして、年齢を重ねたときに思うんです。
「学生時代は、社会の問題を解決したいと頑張っていたなぁ」。今は、ただ仕事を毎日こなすだけの日々になってしまった。それで本当にいいのだろうか、と。

image5
『本気なら、よそ見せずに最速の道を突き進んでください』と。

人生、いろいろな生き方があります。それぞれが幸せに生きていく方法はそれぞれが見出すべきもの。

もし、あなたが、「本気で社会の問題を解決したい」という覚悟を持っているならば、そんなオトナたちの話に惑わされる必要はない。
あなた自身が、成し遂げたい「志」に向けて、最短距離が何かを見据え、その道を愚直に突き進めばよい。

「志」と「覚悟」を本当に持っているならば、です。

マジであればあるほど、就職活動で無駄な時間を費やしている場合じゃない。あなたが遠回りしている間、何一つ世の中は変わらないのだから。

中編では、そんな志や覚悟を持った学生たちが、どのように走ってきているのか、について書きますね。乞うご期待!