こんにちは!お久しぶりの投稿になります。
みらい畑石川です。
「農業をやりたい人が続けられる社会を創る」ことを目指し、
宮崎県新富町の地で事業を始めて、はや3年が経ちました。


この3年間、本当に色々なことがありました。

毎日毎日、事業の成功を願って動いているはずなのに、出てこない結果。焦る気持ち。

畑で農作業をしていると「あっ」という間に時は経ってしまい、日の出から日暮れに。
疲れ果てた体力に、追いつかない戦略的思考。

自分の経営能力の低さに、何度も挫けそうになりました。
新富町の海を眺めて涙したことも、そのついでに砂浜で車がスタックして救出してもらったこともあったような。。笑

しかし!今日このブログを書いている今、赤字経営で苦しいのは変わらないものの、未だかつてない程、希望に満ちています!
それはなぜなのか!?
今回のブログでは、その理由(ガッテン)を綴りたいと思います。

ガッテンその1 農業は化学だ!


この3年間、まずは無農薬・無化学肥料で野菜を生産することに必死でした。
これがまた、全く生産量が上がらない。
それもそのはず。植物生理学も農業現場経験も全くゼロの、ド素人が突然できるほど、技術職「農業」は甘くない!
今なら分かる。。まじで勉強しろと。それくらい、農業は化学で、奥が深くて、面白い職業だと思っているのですが、
当時はなぜ収量が上がらないのか?なぜみんな無農薬はやめとけというのか?その理由が分からず、納得できず、空回り空回りの苦しい生産でした。

今は、現場経験が多少は積み上がってきたことで
最短での動き方(農業は作業効率と機械等の即時トラブル対処が超重要
を知り、
化学の知識を教えてもらえるようになったことで、正解がない野菜栽培に対しての
根拠を持った対処
ができるようになり、栽培の道筋がクリアになってきました。

ガッテンその2 野菜だってプロダクト

生産量が徐々に徐々に上がってくるにつれて、販路の模索がスタートしました。
農業を始める前、野菜は食べ物だから、販売のハードルは低いと思っていました。(安易

確かに、野菜はいわゆるA品B品C品どれであっても市場であれば買い取ってもらえます。
しかし、それに価格がつくかというと全く別の話。
やはり「規格・品質」の基準と、それに付随する買取価格というのは存在します。さらに地域や市場によってその基準も変わる。
(規格のない世界を切望しました。。。あった!→タベモノガタリ
そして、流通の要になっている市場やJAは”市況”が存在します。全国の相対で、価格は変動し続けます。

たくさん栽培・販売をしても、買取価格が低ければ赤字になります。
”THE 薄利多売”の世界です。

それならば付加価値のある野菜を育てて販売しようと。
そこから約1年は「どんな野菜を作れば良いのか」の模索が続きました。

スーパーでは珍しい野菜、無農薬を謳った野菜、パッケージデザインをした野菜・・・
百貨店では高価格の野菜・・・
飲食店やホテルへは飛び込み営業・・・

既存の販路には、それぞれメリットとデメリットがあって。
一つ感じていたのは、アンコントローラブルな要素が多い販路に、
販売の大部分を頼るのはビジネスとしてはかなり不安定になるという危機感でした。

そしてもう一つ感じたことが、

売れるには売れるけれど、
売れ残って安売りや、劣化が進んでいる姿を見ていて、

なんだか、「この野菜いいね〜!欲しいね〜!」

という、消費者が商品を選ぶ時の「トキメキ」が感じられなくて、

一体なぜこの野菜を?一体誰のために売っているんだろう??

という疑問と虚しさが膨らんでいました。

そしてようやく気づいたのが、野菜だって立派なプロダクトだということ。

選ばれるための理由と、買うための場所作りが必要だということでした。

生産の事で頭がいっぱいだったけれど、私たちは「野菜」という商品を作る技術者であり、販売者でもある。
売るための、アイディアを出す知恵を絞る必要がある。

でも80%は生産者で!だって365日毎日毎日

時には
50度近いハウスで汗水流して死にかけながら
時には
雪降る極寒の中で手がかじかんで泣きながら(本当に泣いた笑
時には
うっかり虫を食べちゃいながら↓ 食べたのはこの方メリー(副社長

愛情を込めてみんなで育ててきた野菜を、買ってくれる人に「喜びや意義」を感じてもらえる商品として選んでもらいたい!
販売の方法を考えよう!

ガッテンその3 辿り着いたのは「ぬか漬け専用ミニ野菜」

つまり、この2年間は生産のことで頭がいっぱいで、半径10cmくらいだった視界が、

生産量が上がってきたことで(売るものができてきたことで)
”野菜を食べてくれる人(お客様)のことを1番に考える”
という、ビジネスとして当たり前の大切なことに、3年目にしてようやく気づける心の余裕が出てきたのです。

そして、お客様の事を考えた時に、1番最初に思い浮かんだのは「みらい畑の野菜を通して”健康と食卓の彩り”を届けたい」という気持ちでした。

「どんな野菜を、どんな形で届ければ、それが実現できるのか?」

考えて考えて辿り着いたのが「ぬか漬け専用ミニ野菜」でした。(命名 腸活ミニ野菜!
日本に古くから伝わるこの調理方法は、野菜たちが持つ能力を最大限に引き出してくれます。

毎日畑で育ててきた大切な野菜を、余すことなく届ける事ができる。
丸ごと生で調理する方法だからこそ、有機農法にこだわる価値がある。

今まさに、腸活ミニ野菜も、webページもスタートアップスタジオのみんなと一緒に喧々諤々作成をしている所です!完成を楽しみにしていてください!

最後に 未熟だけれど みんな揃えば1人前

私達メンバー5人は、技術者としては0.3人前で。
だからこそ、迷い、失敗してきました。
だからこそ、みんなフラットに試行錯誤して協力できました。
だからこそ、沢山の人たちに助けられて何とかここまで来ることができました。

ここまでの道のりに時間はかかり過ぎてしまっていて、自分の不甲斐なさを感じない日はないけれど、

今、野菜を
育てる目的
育てる技術
売る目的
売る場所

この4つが3年目にして初めて何とか揃ってきて、
あとは改善のサイクルを回して、事業の成功を信じて突き進むだけだと考えています。

よく聞かれます。
なんで続けられるの?(赤字なのに)辞めたくならないの?と。

結果が出なくて弱るときはあるけれど、
成功を信じています。

理由は3つあります。
1つ目は、農業が抱える課題を解決したいから。それが自分の夢だから。
2つ目は、共に事業を行う仲間が側にいてくれるから。
3つ目は、お世話になってきた数えきれない人たちに結果でまずは恩返しを、そして次にボーダレスジャパンの文化である恩送りがしたいから。

まだまだ道半ばのみらい畑ではありますが、自然の中で力強く生き抜く野菜や植物に囲まれ、勇気づけられながら
早く一人前の農業集団になれるよう、今日も元気に、畑に行ってきます!