
こんにちは!
この春からボーダレスジャパンの起業家コースに新卒入社する菊池モアナです。
私は、アフリカのタンザニアで若年で妊娠したティーンエイジシングルマザーの復学機会と雇用機会を創出し、彼女たちの再スタートを応援するビジネスに挑もうと準備をしています。
今日は”学生シンママ”からの”新卒シンママ入社”という少しぶっ飛んだ人生を送っている私が、なぜ、起業家という道を選び、ボーダレスジャパンの門をたたいたのかについて語らせていただきたいと思います。
社会から見捨てられた女の子たち
日本から約12,000km離れたところにあるアフリカの国、タンザニア。
そこでは、毎年、年間8,000人以上の女子学生が若年で妊娠し退学を余儀なくされ、公立学校への復学も許されないという社会問題があります。
3年前に妊娠したことで学校から見放され、家族から見放され、社会から見放され、自己肯定感を失い劣等感を抱えながら生きている女の子たちと出会ったことや、その後、私自身も学生で妊娠・出産を経験したことで、今ではこの問題は他人事から、「私がやらないでだれがやる!」と思うほどに自分事になりました。
アフリカの教育事情が知りたい
大学2年の時、授業で学んだ、「教育が貧困や争いをなくすための鍵となる」という考えに共感し就学率に大きな課題が残るアフリカ大陸に興味を持ちました。
いろんな文献を読み漁ると様々な背景があるということがわかったのですが、「多くの人がこれまで長年調べてきた結果、様々な原因がわかり、解決策も実施されているのにどうしてまだ就学率が低いままなのか。まだ見過ごされている原因があるのではないだろうか。」という素朴な疑問が頭からはなれなくなり、一度気になると満足するまで止められない私は、「自分の目で現状を見て知りたい」「学校に通っていない子どもたちはどのように考えているのか直接聞いてみたい」と思い、自分を納得させるためにタンザニアに行くことを決めました。
現地では山のてっぺんにある秘境の村で、タンザニアの人たちと同じ暮らしをしながら、教育を受けられていない子どもたちの生活スタイルや家族構成、考え方などを学び、学校に通っていない様々なケースに置かれている子どもたちと出会うことができました。
その調査の中で出会った、”ある女の子”の現状にひどく心を撃たれた日を今も鮮明に覚えています。
学校での成績は常にトップだったこの女の子は16歳(タンザニアでは中学2年生)の時に妊娠し退学を余儀なくされました。
小さい時に父親を亡くし、母親は新しい旦那さんとの新たな家族ができたため家を出ていってしまい、農業を営む70代のおばあちゃんと二人きりの生活をしていた中での突然の妊娠。
彼女の妊娠がわかるとお母さんは学費の支援をやめ、学校へも通えなくなり、劣等感や激しい自己肯定感の欠落から彼女は自殺を図ったといいます。
そんな彼女の家にしばらく住まわせてもらい、一緒に生活する中で私が感じたのは、
「どうしてこんなにまじめで一生懸命に生きている子が、教育の機会を失い夢を失い、自分に劣等感を抱えながら生きていかなければならないのだろう。」
という思いでした。世の中の不条理にものすごく悔しくなり、それと同時に何もしてあげられない自分を情けなく感じました。
自分自身の妊娠
このような様々な子どもたちの状況を調査している中、ある日衝撃的な出来事が起こります。
私の人生を一気にひっくり返すこととなった自身の妊娠です。
当時お付き合いを始めたばかりだった現在のタンザニア人パートナーとの間に命を授かり、悩みに悩みぬいた末、夢である国際協力という道に進むことは、子どもがいても絶対に叶えられると信じ出産することを決めました。
産後2ヶ月目から生まれたての息子と共に大学に通い、友達や教授に預けて授業を受け、空きコマに授乳し、また授業へ。泣きわめく息子を背中に担ぎながら夜な夜な卒論を書いたりと、大変の一言では表せられない毎日でしたが、周りの多大な協力に恵まれ無事に大学を卒業することができました。
私は、この恵まれた環境に感謝すると同時に、生まれた場所が違っただけで教育を続けられずに、社会からも見放され、自分に劣等感を抱え、経済的にも厳しい状況に追い込まれていく女の子たちの存在をもう他人事としてとらえることはできなくなりました。そして、沢山周りに助けてもらっている分、今度は私がタンザニアの学生ママたちを支える番だと思うようになりました。
なぜビジネスという手段を選んだのか
先日再びタンザニアに訪れ、支援対象であるティーンエイジシングルマザーたちに聞き取りを行ったのですが、「夢があり、その職に就くには中学卒業資格が必要なため学校に復学したい」という子たちと、「今すぐにでも働いて家族を養いたい」という子たちに希望が分れることがわかりました。
公立の学校への復学は禁止されているため、学費の高い私立学校への復学のみ可能となりますが、対象とする女の子の家庭には支払うことのできない出費になります。
子どもを養っていくことと学費を集めることを同時にやらないといけない環境では、人に頼る資金調達には限度があり少数の女の子たちのみに向けた小さな支援しかできないと感じました。
また、一度失った自己肯定感を再び取り戻すためには成功体験や、社会に必要とされていることが実感できる活動をすることがいい刺激になると考え、ボランティアや非営利団体としての支援でなく、ビジネスとして彼女たちと共に新しい未来を作っていくことに決めました。
用意されていたボーダレスジャパンへの道
そんなこんなで自分自身で試験的にビジネスをスタートさせたわけですが、これまで事業計画書を作ったこともなければ経営戦略も考えたこともない私には、できることは限られていて、ビジネスの難しさを痛感していました。
そんなときに、ボーダレスジャパンの起業家コースというものを知り、本来ならお金を払ってでも学びたいソーシャルビジネスに関する知識や経験をお金をもらいながら手に入れることができるという、私のために用意されていたかのような素晴らしいプログラムが絶妙なタイミングで目の前に現れ、逃すまい!!とチャンスを全力でつかみ取らせていただいて、今回新卒入社としてボーダレスジャパンに仲間入りさせてもらうことができました。
おわりに
ここまでですでに相当、波乱万丈な人生を送ってきましたが、私的にはやっとスタートラインが見えてきたという気持ちです。
この一年間は、スポンジのようにすべてのことを吸収できるように柔軟に、素直に、そして貪欲に経験を積んでいきたいと思っています。
子育てと仕事の両立にたまにめげそうになる時もあるけれど、今成長中なんだ~!と思って一生懸命頑張っていきたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。