
皆さんこんにちは!ポスポスの吉田照喜です。
2019年度起業家コースで入社した辻田(以下、ジーツー)が、修行のために昨年6月からポスポス所属となりました。指導する僕に課されたテーマは、「起業家になるために、マインド面やスキル面【オペレーション力、マーケティング力】を鍛えること」でした。配属時には亀さんのようにスローペースで彷徨っていたジーツーが、卒業直前には年間成長率No1と言っても過言でない急成長をしました。その大躍進の秘密を探ってみました。
「8ヶ月では起業家は厳しい!?」
店舗初日で緊張した表情
ポスポスでの店舗研修を終えて、ジーツーがはじめて取り組んだ仕事は、「来店客数UPのプロモーション企画」です。
彼が作成した企画書をみて「マーケティングの訓練がかなり必要だなぁ」というのが正直な第一印象。ママの深層心理を理解していないから、企画が的外れでした。何度やり直してもママの心には響かない内容ばかり。一緒になって、なんとか企画の骨子を固めました。大変なのはこのあと。企画を表現するために、「キャッチコピー」や「文章」を書いてもらいますが全然進みません。言葉がビジネス調でカタイんです。修正依頼をすること、2度、3度、4度、5度。出てくるアウトプットは全部ダメ。これだけで2週間近くが経ちました。結局、僕も入って書き直しました。
「どうしよう!これは事業家まで時間がかかるぞ」そんな前途多難なスタートでした。
できない原因をしっかり追求。
このままでは彼も成長しないし、事業推進もままならない。だから、「うまくいかない原因」を2人で徹底的に追求しました。
原因は二つでした。
①妊婦さんの生活をイメージできておらず、気持ちがわかっていない。
②妊娠中の女性が使う「やわらかい言葉づかい」を知らない。
ここからジーツーは、徹底的に自己改革に取り組みます。西松屋やアカチャンホンポに行ったり、店舗に立って一日中お客さんと会話をし続けたり、育児雑誌を持ち帰り毎晩ママに響く言葉を研究したり、自分が作った広告文をオフィスのママスタッフに一日に何回もヒアリングして書き換え続けたりと。彼が偉いのは、原因追求したその日からすぐに努力をし、毎日の行動を変え続けたことです。その一生懸命な姿を知っていたからこそ、僕も諦めずに日々向き合いました。
ついに、覚醒した4ヶ月目。
課題だらけの彼が4ヶ月経った頃から急成長をし始めました。
明らかに原案の精度が向上しました。課題だった「ママの気持ちを動かす企画」「ママに響くキャッチーでやわらかい言葉」も向上し、僕が一発でOKするケースも増えました。驚くべきは、イラストレーターをマスターして、広告デザインまで自分で作り上げていることです。やると決めたらトコトン努力をする人でした。
ジーツーが”デザイン”した福袋
スポンジのような吸収力で何事も素直に学ぶジーツーは、広告担当だけではなく起業家として必要な擬似体験をしてもらうように、仕事の役割を1ヶ月ごとに大きくしました。
(ジーツーに任せた内容)
<1ヶ月〜3ヶ月目>
プロモーション担当(テーマは吉田が決定)
<4ヶ月目>
プロモーション担当(テーマはジーツーが決定)
<5ヶ月目>
広告予算を持ち、リソース配分と改善運用。
<6ヶ月目>
「最重要プロジェクト」の推進役として任命。
<7ヶ月目>
「店長会」のファシリテーターとして店長にフィードバックを行う参謀役。
この役割の変遷から、急激な成長がわかると思います。
なぜ、成長したのか?
なぜジーツーは、そんなに成長したんでしょうか?
ジーツーにその秘密を聞いてみました。答えは驚くほどシンプルでした。
一言で言うと、【徹底的な振り返り】
彼は、「毎日」振り返りを行っていました。いや、「タスクごと」と言っても過言ではありません。1日に5つタスクをしたら5つの振り返りを行っている。そして、ちゃんと文章に落とし込む。具体的には、スラックで自分専用のチャンネルを作り、「目標」「達成度」「出来なかった原因と次のアクション」「学び」を毎日投稿しています。この愚直なまでのたぶん1日もかかさずやっていました。さらに、「学び」の抽象度を上げて、他の事例まで「転用」して考える癖を持っていました。
【振り返りの量】×【振り返りの深さ】が彼の成長の原動力でした。誰しもがわかっている成長の秘訣ですよね。でも、ここまでやっている人はごく少数。彼は「歯磨き」のように、習慣化して自然に行っていました。単純だけど、彼の成長の秘密はこれでした。
最後はポスポスの事業推進役に。
今年2月末、いよいよタイムリミットが迫ってきました。この時には、彼を完全に”事業推進の戦力”として見ていました。事業を前に進めるために、手放したくないと心から感じていました。だからこそ、卒業のタイミングが近づいていることがわかりました。メンバーからの人望も高く、愛される人柄のジーツー。壮行会では、涙が溢れていましたね。
ポスポスメンバーとの送別会
最後の振り返り面談で、僕に話してくれた言葉。
「8ヶ月間は、人生で最も濃い時間でした!」
彼のこの言葉がどんなに嬉しかったことか。この8ヶ月間は僕にとっても宝物です。
ウサギとカメの童話。
「ウサギが油断して昼寝をしている間に、コツコツと努力をし続けたカメに抜かれる」と言う有名なお話ですよね。
結果の差は、なんだったのでしょうか?
「コツコツと努力をし続けることが結果につながる」。もちろん一つの大切な教訓だと思います。
実は、とある書籍によるともう一つの示唆がありました。この結果は「見ている視点が違った」からと言うのです。ウサギは、カメを見ていました。だから遅いカメに油断して寝ちゃったんです。一方、カメは「ゴール」を見ていたのです。ウサギを追い抜いても自分のゴールだけを追い続けたと言うのです。
ジーツーも全く同じで、”起業家”という自分の理想像をいつも追いかけていました。環境や他人と比べるのではなく、「ゴール」を見据え努力をし続ける姿勢。僕は、ジーツーからその大切さを教えてもらいました。
彼がこれからどこまで伸びて、どんな社会起業家になるのかワクワクしています。
これからの彼の成長を誰よりも楽しみにしています。頑張れ、ジーツー!