ビジネスレザーファクトリー(以下、ビジレザ)の「はなみち」こと、原口瑛子です。

今回は、昨年4月に入社した新卒メンバーたばこ(本名)について。彼は、ビジネスレザーファクトリー株式会社の第一号となる新卒メンバー。初の新卒となった彼に対して今の私が、今のビジネスレザーファクトリーができる、唯一の約束について。

新卒とはどういう存在か?

 一般的に、創業期のベンチャー企業では、即戦力として中途採用を好む企業も多いと思います。あわせて、新卒採用をしたくても、新卒が集まりにくい、あるいは新卒が入社しても育成する余裕もない、という企業も多いのではないのでしょうか。
 私自身もこの数年を振り返ってみると、新卒を育てられるチカラも、そして経営者としての心の余裕も、正直一秒たりともなかったように思います。365日24時間、事業やブランドのことを考え、まずは自分が経営者として成長すべく、我を忘れるほど毎日がむしゃらに働いていました。

 しかし、一昨年くらい前から、ビジネスレザーファクトリーとして、新卒メンバーを迎えたい、という想いを心の中で抱き始めました。とは言え、決断するにはやっぱり覚悟が必要でした。正直、心の余裕が出たわけでは全くなかったし、自分が育成できるチカラを持てた、とも思っていなかったから。
 ですが、改めてビジネスレザーファクトリーの未来を考えた時に、やはり新卒メンバーを迎えたい、と素直に思ったのです。私が新卒メンバーに期待していたことは、ビジネスレザーファクトリーの文化を継承しながらも、ビジネスレザーファクトリーの未来を共に創る、そういう存在。よし、新卒を迎え入れよう。

たばこ初めてのプレゼン

たばことの出逢い

 そこで、ビジネスレザーファクトリーの人事ちほちゃんとともに、「未来会議」と称し、大学生向けの新卒採用イベントを、積極的に開催することにしました。でも当時は(というか今も(笑))、全然経費はかけられない!なので、会議室の予約サイトでは立派に見える、でも実際は、ビルの入口がめちゃくちゃ怪しげな(笑)、狭い狭い会議室で、イベントを開催していました。そんな怪しげな会議室で、私とちほちゃんは、ビジネスレザーファクトリーの事業目的を、未来を、何度も何度も、大学生に語り続けました。

 そして、何度目かの大阪での「未来会議」にやってきたのが、たばこでした。

入口を三度見した狭い懐かしの会議室(笑)

 私もちほちゃんも、何十回、何百回と、採用面接をしてきていますが、面接の中でごく稀に、本当に稀ですが、たった5分話しただけで「ぜひ一緒に働きたい!」と直感で思ってしまう瞬間があります。まだ私の中で正確には言語化ができないのですが、強いて言えば「お互いの未来が描けてしまう」と言うのでしょうか。

 たばこの場合は、まさにそうでした。彼と話して5分後に、私の脳内でぱーっと「未来が描けてしまう」感じ。「彼がビジネスレザーファクトリーに入ってくれたら、こういうチャレンジをして、こういう未来になるなー」と、めちゃくちゃクリアに描けちゃうのです。そして、面接を終えたたばこが、会議室を出た瞬間、私は人事のちほちゃんに言いました。「仲間、見つけたね」と。そしてちほちゃんも...「私も思います」と。

ちほとたばこと私

やり続けていること

 とは言え、今の私に、そして今のビジネスレザーファクトリーに、新卒メンバーを最短で成長させる「新卒のユニークな育成メソッド」なんてものは、まだまだ確立されていません(ごめんね、たばこ)。だけど、彼を新卒メンバーとして迎え入れるにあたって、一つだけ「一年間やり続けよう」と決めたことがあります。

何事にも一生懸命なたばこ

 
 それは「一年間、週に一度、1on1の振り返りをすること」。そのことだけは「やる」と決めて、彼の入社前に「たばこの最短成長プラン」と題し、私なりの成長プランを描きました。それをもとに、毎週金曜17:45から、たった15分だけではありますが、1on1で「振り返り」をしています。
 振り返る内容は、自分で決めた目標に対する達成度、新たに見つけた強みと改善点、そして次週の目標。それに対して、私からフィードバックする。期待したみなさん、すみません。正直、たったそれだけです。全然ユニークでも、なんでもない(笑)。

入社当初にあげた本

 だけど、たったそれだけですが、「継続は力なり」。これまで、いろんなメンバーと働いてきましたが、私の中で「成長」に対するひとつの「解」があります。それは、自分が立てた「志」に対して、素直に「自己反省」し、「自己改革」することができる人が最速で成長できるということ。

 自分の弱さや改善点に向き合うことは難しいですが、今の自分の弱さや改善点に、自分自身が「素直に」向き合うことができれば、自分が努力する方向性が自分で見えてくるし、自分が変わることが楽しくなってくる。

 だから、自分に対する「振り返り」の習慣をつけること。

BCT(Bangladesh Co-creation Tour)を任せたとき

 たばこは、とても素直なメンバーなので、毎週毎週、素直に「振り返り」を続けて、4月のたばことは見違えるほど、ぐんぐんと成長してきました。入社当初は、ECをまかせて、そして法人営業を任せ、さらにBCTを任せて...日に日に任せる範囲も広がり。そして実は、新卒なのにビジネスレザーファクトリーの人事担当もやることになりました。おそらく新卒一年目には、任せ過ぎなくらい、いろんなことを、まるっと任せちゃっています。

新卒でも彼に人事を任せてしまう大成長

今の私ができる唯一の約束

 でもふと、考えることがあります。たばこはよく、この「ど」ベンチャーであるビジネスレザーファクトリーに、しかもあのめちゃくちゃ怪しげな会議室のイベントに来て(笑)、新卒で入社しようと決めてくれたな、と。たばこの親御さんにも、ご心配をおかけしてしまっているんじゃないか、と。

 わたしたちは、正直莫大な資金も、長い経験も、全くありません。だけど、でっかい目標と、でっかいチャンスだけはある、それが今のビジネスレザーファクトリーです。

BCTを通してバングラへの理解も深くなった

 だから私は、彼の志を絶対に実現できるよう、これからも彼の成長に真正面から向き合おうと、決めています。今回は、新卒メンバーであるたばこに焦点を当てましたが、第二新卒で入社したみんなにも、中途採用で入社したみんなに対して、そう思う。

 それが、今の私にできる、唯一の約束。何もないけど、何もできないけど、成長に真正面から向き合うこと成長のチャンスを作り続けること。これが、唯一の約束です。その約束を守りながら、ともに事業をつくる仲間として、これからも彼の成長に、私は大きく期待しています。

■ビジネスレザーファクトリーとは?
手頃な価格で上質な革製品を提供する「働く人のための」牛本革製品専門ブランドバングラデシュの貧困層に雇用を生み出すことを目的として始まった。バングラデシュでは、年に一度開催されるイードと呼ばれるお祭りで、大量の牛皮が発生する。この牛皮を使った革製品の工場で、雇用を生み出せる可能性を見出だし、2014年に事業をスタート。創業から3年、現在工場では約600名を雇用、その家族を含め、約3,000名の生活を支える。2014年3月よりネット販売を開始、現在8店舗を構えている。2015年には「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2015」を受賞し、「ガイアの夜明け」、「事業構想」などメディアにも多数掲載される。

▶︎ビジネスレザーファクトリー公式HP

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