
「もう今年終わっちゃうね。忘年会つい先月にやったような感覚だよ。今年も本当に早かった。」
先日企業への訪問の道すがら、うちで働いているアフリカ出身のメンバーと交わした会話。
「日本で難民申請者に雇用を創る」
このためにピープルポートを立ち上げて、来月で2年が経ちます。
特に2019年は事業のモデルが大きく変わった年で、メンバー一同体力ギリギリ(アウト?)になるまで本当に駆け抜けてきました。そのおかげでなんとか黒字化できるまでに事業も成長してきました。
それに伴い、ピープルポートでは都内・神奈川での期間限定店での販売アルバイトメンバーを募集しています。難民申請中のメンバーが丹精込めて整備したパソコンを、ecoパソコンとして届けていく重要な役割です。(詳細は記事の最後に!)
そして今回は、ピープルポートのことをもっとよく知ってもらおうと思い、なぜピープルが難民申請中の人たちの「働く」、つまり雇用創出を目指しているのかをお伝えしたいと思っています。
◼️「働く」ことの意味
※プライバシー保護のため、顔を伏せています。
学校を卒業したら当たり前のように「働く」生活が始まるわけですが、そもそもなんのために働くんだろう?
私は2つの意味があると思っています。
1.自立するため
まずはシンプルに、自分のスキルを提供することで、雇用主/お客様からお金をもらえる。このお金で家や食事を賄ったり、子供を学校や習いごとに行かせたり、自分の好きなことをすることができますよね。
お金以外にも新たな出会いとか、楽しい時間なども得られる。つまり「自分の意思で、生活を選ぶ」ことが、働くことで可能になると思っています。
2.社会をより良くするため
「働く」って、語源は諸説あるみたいですが、「傍(はた)を楽にする」という意味づけがあるようで、私はこの意味づけがとても好きです。
上に書いたように、「お金のために、自分たちの生活のために」それももちろん大切。(ここ2年間本当に生活切り詰めていたので、痛いほど実感、、笑)
でもそれだけでいいのか?もちろん、今もたくさんの課題は残っているけど、昔より暮らしやすい社会になっているのは、自分たちの先祖が頑張って働いてきてくれたからだと思う。
だから、自分たちも「次の世代により良い社会を残すために働いている」ということを忘れてはいけない。私はそう思っている。
つまり「働く」って、人が尊厳を持って生活をしていく上で、そして次の世代により良い社会を残すために、とても大切なことなんです。
◼️なぜ難民と呼ばれる人たちの雇用創出を目指すのか?
一つの理由はまさに、「尊厳を持って生活をしていく」上で働くことが大切だと考えているから。どんなに能力があっても、言葉も文化もわからない国で働くことはとても難しい。さらに、単純作業だけでなく、お客様の顔が見え、もっと喜んでもらえるようにと新しいことに挑戦ができる環境となると本当に少ない。だからそんな場所を作ろうとピープルポートを立ち上げました。
実際、ピープルで働いてくれているメンバーは、母国ではそれぞれの分野で将来有望だった若者たちで、自分の能力を発揮したいと心から思っているし、貪欲に新しいことにチャレンジをしてくれている。
そしてもう一つは、「難民」が現地社会に馴染んでいくためには、「働く」ことが大切だから。
難民の話って、「どうしても受け入れる/受け入れない」の話が出てきます。
異国の地での生活は絶対大変なのに、それでも暴力や迫害を理由に海外に逃げざるを得ない人たちであれば、メリット/デメリットなんて言わず手を差し伸べるべきだと私は思っている。
しかし一方で、考え方としては「受け入れない」という考えも感情としてはわかる。誰だって、「得体の知れない」「自分と違う」ことは怖いから。
でも、
その「拒絶感」を乗り越える一つの言葉があると思っている。
それは「ありがとう」
つまり感謝だ。
自分に対して、あるいは自分の社会・環境に対して頑張ってくれている人たちがいたら、その人たちに対しての「拒絶」っていうのは薄れていくんじゃないかなと。
「ありがとう」って人の姿勢を和らげるとても強い力を持っているんじゃないかなと。
楽観的かも知れないけど、私はそう信じている。
だから、我々ピープルポートは、難民の人たちが能力を活かしながら、地域の人たち/地域社会に貢献する集団になる。
「あなたたち、本当に色々大変だっただろうけど、日本に来てくれてありがとう」
そう言って貰える社会ができたら、そしてこの感謝の輪を世界中に広げることができたら、次の世代には今よりもっと多文化が共生できる社会が残せるはずだから。
----------------------------------------------------------------------------------
ピープルポートでは都内・神奈川での期間限定店での販売アルバイトメンバーを募集しています。
難民申請中のメンバーが丹精込めて整備したパソコンを、ecoパソコンとして届けていく重要な役割です。
また、ecoパソコンは「あまりパソコン使わないのに、10万円くらいする新品を買う」という選択肢しかない方たちに大好評のパソコンです。
企業において定期的に発生する入れ替えで、廃棄する予定だったパソコンを引き取ってきたものなので、プラスチックゴミの削減、世界で紛争の火種にもなる金属資源の再活用にも繋がっています。
おサイフにも、地球にも優しい。それがecoパソコンです。
是非ピープルポートで働いてみたいという方、ご応募をお待ちしております。
<採用募集ページはこちら>
https://www.borderless-japan.com/recruit/careerdetail/?id=35302