「ぼく一年以内にFACTORY事業部を卒業しますから。」

今年私が言われた言葉の中で一番うれしかったのがこれ、入社一年目の高橋亮彦から先日の四半期振り返り面談で言われた言葉だ。

ボーダレス・ジャパンに入ってくる人間には必ず夢がある。彼が実現したいことは「障害者が特別視されずに仕事をし、税金の受給者ではなく納税者になれる環境をつくる」こと。

しかしこれまで、その具体的な方法や、いつまでにやるという期限を高橋の口から聞いたことはなかった。それが先日、初めてその為の方法と期限を口にしたのだ。

ボーダレスファクトリーは2014年の3月にスタート、4月に高橋亮彦が加わり彼と私の二人でやってきた。入社したばかりの頃は本当にひどかった、まともにコミュニケーションが取れないのだ。自分から話しかけることはほとんどなく、声も小さい。話している最中も笑顔は一切なく会話にならない。

なにが原因なのか?というと、高橋の中にある自分は障害者なのだという意識、「障害者と健常者の壁を取っ払いたいんです。」と言ってる自分自身が「壁」をつくっていたのだ。これでは一生かかってもその夢は成し遂げられない、そんな状態だった。

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(2014年4月入社した当時の高橋亮彦)

そこで私は、まずは大きい声で気持ちの良い挨拶をすることを徹底させた。そして「話しかけるタイミング」「声の出し方、大きさ」「話すスピード」「表情」「聴く姿勢」などコミュニケーションの基礎を一から繰り返し教えた。初めの3ヶ月間はこれしかやらなかった。

変化が表れてきたのは営業をやり出してからだった。電話でのアポ取り、訪問、契約を取ってくるという一連の流れを一人でこなす内に「自分のコミュニケーションの取り方はまずい」ということに気づき、自分で変わり始めたのだ。

「いつまでに、何件獲得する」という目標を立て動くことでスピードも上がり、結果もついてくるようになった。

「具体的な目標を立てる」「期限を決める」これがいかに大切かということを、高橋を見て改めて感じた。

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(社内では「高橋ブラザーズ」と呼ばれている)

そんな彼が「来年一年で今の事業を卒業し、その後は自分のやりたいことの事業化に向けて動いていきたい。」「その為に何がなんでもボーダレスファクトリー事業を黒字化させる。」と言う、

あの高橋が、、、この数か月で確実に成長していっているのだ。そう思うと素直に嬉しかった。

でも、

「そんな甘いもんじゃない!」「まだまだ足りないことだらけ!」(私も含めてだけど)ということも分かっている。だから、来年は死ぬ気で努力しよう。大きい変化は、小さいことの積み重ね。

よっしゃ!来年も頑張るぞ!!