
ボーダレス・ジャパンには仕事においてメンバーが大切にしている言葉がある。それが、「Something New」=(なにか新しいこと)である。「Something Newを創り出しなさい!それが事業家の仕事だ!」と会長の田口も繰り返しメンバーに言っている。
皆が常にそのことを意識してやっているが、やはり「新しいことをやる、創りだす」ということはそう簡単なことではない。
私が今責任者をしているボーダレスファクトリーは2014年3月にスタートした。バングラデシュにある革製品の自社工場の強みを生かし、企業のOEM生産をおこなうのがメインの事業だ。
革製品のOEM生産自体は決して世の中で新しい事業ではない。日本でも昔から多くの革製品のメーカーがあり、熟練の職人もたくさんいる。
また、近年では生産はほとんどが中国を中心とした海外に移り、質の良い製品が驚くような低価格で生産されている。このような状況だからこそ、この事業が大きく伸びるには「Something New」が必要だった。
その為にこの数ヶ月間、いろいろなことをやってきた。販売力があるNETショップなら大量注文が取れるのではないかと年商数億円規模のECアパレル企業を攻めたり(一個単位で仕入れをしておりロットまとまらず)、営業職の人達に取引先の方の名前入りの革製品を営業ツールとして使いませんか?と売り込んだり(これも一切売れず)、大手アパレル、文具メーカー、ノベルティ製作会社なども一通り営業を掛けたが、既存の取引先からスイッチするまでには至らなかった。
結果が出ない原因は自分の力不足ということは分かっているのだが、「なにがいけなかったのか?どうすれば結果が出せるのか?」という明確な答えを見つけられずにあっと言う間に約10ヶ月が過ぎた。
そうやって苦しんでいる時に、私にアドバイスをくれたのは田口だった。どんどんチャレンジすることは大切なこと、しかしもっと大切なことはその後どう修正するか。事業を形作っていく時、初めのプラン通りに最後までいくことなんてほとんどない。壁にぶつかった時、その状況や場面に合わせて修正していくこと、そしてより良い形に進化させていくこと、これが重要なのだと田口に言われた。
確かにその通りだった。これまでの自分を振り返ってみると、壁にぶつかった時に「この施策自体が良くなかったんだ。」とすぐに止めてしまい、「次は別の新しいことをやろう。」という仕事の進め方をしていた。これを繰り返していくことで「Something New」は創りだせると考えていた。
新しいことにはチャレンジすべきだ。しかし、チャレンジするだけでは「Something New」は生まれない。チャレンジして何回も壁にぶつかって、その度に必死に考えて、動いて、修正して、進化させていくこと。
「チャレンジ」+「修正力」=「Something New」
これが今私ができる方法だ。
最近、ボーダレスファクトリーでは「ショップのオリジナル革製品を一個からつくる」という新しいサービスを始めた。「本当は自分のショップやブランドのオリジナル商品をつくりたいけど、少量だとどこのメーカーからも受けてもらえず諦めていた。」そんな悩みを抱える新規オープンの店や個人経営のショップ、少数精鋭でやっているNETショップのオーナーの方などに向けたサービスだ。オリジナル品が今の仕入れと同程度の価格でつくれるとあって、すでに数件から注文が入っており、「こんなサービス今までになかった。」とお客様の反応も上々だ。
もう失敗は許されない、この10ヶ月で失敗は腹いっぱいした。これがラストチャンス、絶対に世の中に「Something New」を提供するんだ!そしてバングラ工場の仲間を、ボーダレスファミリーをもっともっと増やすんだ!!
ここからの「修正力」、これが勝負だ。
ショップオリジナルが一個からつくれる
バングラデシュ工場の仲間たち