先日いつもの本屋に寄ると、ディスプレイが大きく変わっていました。4月に入社した新社会人をターゲットにした本がずらりと並んでいます。「基礎ビジネススキル」「トップセールスに学ぶ営業の極意」「○○ができる人の習慣」などなど、私が新社会人の立場なら「これ読みたい。これも読んでおくべきだな」と思える魅力的なタイトルばかり。その中で、ある本に目が留まりました。

「やりがいのある仕事」という幻想

いま私が立ち上げを進めている若者の就労支援事業でも「やりがいのある仕事」だったり「やりがいを持って働く」というのは大きいテーマになっていて、ここ最近はずっとそのことばかりを考えています。とても気になる本でしたが、なんとなく今読むべきではないと判断し、本は買わずに店を出ました。(なので、本の内容は分かりません。)

先日も新卒3年目を迎えたばかりの仲渡春菜が新事業の社長に就任したりと、ボーダレスの場合は「やりたい人任せ」なので、本人がやりたいという意思を示せば、どんどんチャンスがもらえます。やりたいことと仕事の内容が合わない場合は、事業部を超えた異動がバンバン行われます。

そうすると「やりたい仕事をしている」「やりたいことが仕事になっている」状態になり、本人もやりがいを感じながら働くことができるようになるのです。そういう仕組みがボーダレスにはあります。

しかし、今回は「ボーダレス・ジャパンってこんないい会社ですよ」とか「やりがいを持って働けますよ」というようなことを書きたいのではありません。

「どうやったらやりがいを持って働けるのか?」これについて、私なりの考えを書きたいと思います。

「やりたい仕事なんてない」
「そもそもやりたいこと自体ない」場合どうすれば良いのか?

ここ最近、事業のサービス内容のヒアリングの為に、10代後半から20代前半の若い人達と話をする機会があるのですが、そこでも「働かないといけないのは分かるが、出来れば働きたくない」とか「生活の為とは言え、この先もずっと働き続けられるか自信がない」という話を耳にします。

そこで、「夢は?やりたいことは?」というお決まりの質問をしても、「そんなのない」と言われるのがオチ。でもこれってめちゃめちゃ普通のことで、若くして自分のやりたいことや、将来のビジョンが明確になっている人の方が遥かに少ないのではないでしょうか。

また、中には家庭環境など壮絶な過去を背負っており、夢とかやりたいこととかを考える余裕すらなかったという人もいます。

こういう場合、「やりたいことを仕事にしよう」とか「やりがいを持って働こう」という考えだけでは通用しません。しかし現実問題、彼らも生活の為には働いてお金を稼いでいかなければいけない。では、どうすれば良いのか?

他の人は苦に感じるが、自分はそこまで苦に感じずやり続けられることを見つける

例えば私の場合、あまり苦にならないことの1つに洗濯があります。「洗って、干して、畳んで、しまう」という行為を面倒だという人は割と多く、私の妻も洗濯が好きではありません。理由を聞くと「洗濯はマイナス(汚れ)をゼロ(キレイ)にするものだから、そこにクリエイティビティを感じない」とのこと。なんかもっともらしい理由ですが、きっと自分が洗濯をやらないでよくするために考えた言い訳だと思います(笑)

私は服によっては手洗いもするし、柔軟剤にも凝っていて、複数の柔軟剤を独自の調合で混ぜ合わせたオリジナルのものを使っています。乾いた洗濯物を畳む時に、ふんわり香る柔軟剤の匂いを嗅ぐと、苦になるどころか、とても幸せな気分になります。

この方法にはさらにいいことがあります。他人はその行為を苦に感じるわけなので、それをやると褒められるし、感謝される。やってもらうことに対してお金を払うという人がいたら、それは立派な仕事になるのです。自分はそんなに苦に感じないのに、やると褒められて、感謝されて、お金までもらえる。最高だと思いませんか?!

そんなもの自分の周りや今の職場にはないという人は、まだ見つかってないだけ。絶対にあります。

見つけるためには何をすべきかというと、自分から積極的にいろいろな仕事(業務)を取りに行く。初めから全部をやる自信がないなら、手伝うところからでもOK。面白そうな仕事をやってる人のところに行って、「その仕事、私にも手伝わせてくれませんか?」と声を掛けてみましょう。初めは自分の仕事もやりながらなのでキツイ面もあるかもしれませんが、見つかった場合、それはあなたにとって苦にならない事なのですぐに慣れます。

最後は「決める」ことが大事

そして、もしそれが見つかったら、「これが自分の仕事だ」と決めること。それは好きなことではないかもしれませんが、それでもOK。「これだ!」と自分で決めることが重要です。(私も洗濯が大好きというわけではありません)

なぜなら、決めることで「覚悟」が生まれるから。何かを決める(選ぶ)ということはそれ以外を捨てることになります。そうすることで、「自分にはこれしかない」という覚悟が生まれ、その仕事に熱が入るようになります。結果的にそれが、仕事へのやりがいに繋がるのです。

他にも自分に合うものがあるのでは?と考える人もいるかもしれませんが、それはそれ。今目の前にある仕事が自分にとって苦に感じずできるものであるならば、これを自分の仕事だと決めて一生懸命やるのです。そうやって自分の責任を果たしていけば、きっとそれを認めて、褒めてくれる(評価してくれる)人が出てくるはずです。

「苦なく続けられることを見つけて、自分で決めて、覚悟を持って一生懸命やる」

これが現時点での「どうすればやりがいを持って働けるのか?」ということに対する、私の考えです。

ただ、まだまだ自分は人間としても、社会起業家としても発展途上。今回のようなテーマで自分の考えを文章にするのはとても大変でした。また何年後かに同じテーマで書こうとした時、自分はどう考えるのだろう?今よりも本質を突いた言葉で考えを伝えられるのだろうか?

これから事業で関わっていく若者の為にも、彼らがやりがいを感じ働き続けられる社会をつくるためにも、自分自身がもっと努力して成長して、経営者に大切な「伝える力」を養っていきたいと思います。

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