
先日3月5日、福岡市役所で「スタートアップ都市づくり事業」として行われているセミナーで講演をしてきました。僕に与えられた講演タイトルは、「福岡・日本・世界をボーダレスにつなぐスタートアップ」ということだったので、ボーダレスが今やっている事業について話をしてきました。
平日昼間の講演だったので、行政関係者の方や大学の教授などが
多かったのですが、皆さん「ソーシャルビジネス」や「社会起業家」というコンセプトにとても共感していただけたみたいで、講演後いろいろな方から、Facebookで連絡があり、別の講演の依頼や一度会って話を聞きたいというご連絡を多数いただいたので、少しはお役に立てたのかも知れません。
福岡市役所での講演の様子。たまにはちゃんとした服装しないとと思って、カーディガンを持って行ったが、やっぱりめんどくさくて着なかった。いつものユニクロシャツにジーパン。相変わらずどこかの大学生にしか見えないワタシ。。
後日、講演の際お会いした大学関係者の方からご連絡があって、その方がやられているラジオ番組用に意見をくれという依頼がありました。
それは、「昔から国も自治体も山ほどベンチャー支援策を並べながら、政策が見事に功を奏したという話は、あまり聞いたことがありません。今の政策もやり方をこう変えたらいいのにというのがもしあったら、教えてくれませんか。」という相談内容でした。
皆さんだったら、どう考えますか?私がその方に返信したメールをそのまま転載してみました。朝の通勤電車の中でバァーと書いた内容なので、自分で見ても随所に突込みどころが満載ではありますが(笑)、『半農半X』というライフスタイルを地方活性化につなげられるのは面白いんじゃないかなぁと思ったのでシェアしたいと思います。
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■■さま、
ご連絡ありがとうございます。
「起業へのモチベーションを持った若者がどうすれば集まるのか?」
「民間ではできないこんなことをやってくれたら助かるのに」
「今の政策もやり方をこう変えたらいいのに」
というのはあるか?
という問いに対してですが、
僕のように、自分の力でなんでもやってしまう生来の起業家たちは、政策に対して何も求めることはないと思います。
つまり、こういうベンチャー支援政策はどんな「起業家」のために考えるべきなんでしょうね。
やはり、こういう政策もビジネスと同じで、僕であれば、まずはターゲットと成功の定義を明確にします。
①誰に
②何を(他社は提供できていないどんな価値を)提供して
③何がどうなったら成功したと言えるのか?
そうすると、
①
政策として、つまり税金を使って、ベンチャー支援をやるときの見返りは、やはりその起業家がしっかり立ち上がることで「新たな雇用がうまれる」とか、「人が集まる」とか、「地域が活性化する」というようなところを期待すると思います。
そうすると、ここでいう「起業家」ってのは、コミュニティーを活気づけるような活力あふれる比較的若い世代を対象にすべきかと思います。
※もちろん、年齢に関係なく活力ある起業家はいるので失礼な言い方にはなりますが、アイディア段階ではいったん最大公約数での切り分けをして話を前に進めてみます。
であれば、
自分の人生を自分らしくいきたい、何かしたいというエネルギーには溢れている、でも自分の力ですべてを切り開いていくための一歩を踏み出す勇気が無い。
そんな若者への支援が必要とされる気がしてきます。
②
では、彼らに何を提供するのか、ということについてですが。前提として、民間で提供できるものは民間にやらせておけば良いと思います。
つまり、
なかなか儲からないから民間企業はなかなかやらないんだけど、起業を目指す若者に求められていることって何か?ってことだと思います。
僕の具体的なアイディアとしては、
『半農半Xの起業家村』をつくるというのはどうかな?と思います。
こういう比較的若い世代が今一番大切にしているのが、ライフスタイルです。若い世代は昔のように大企業に入って、高給取りになってというものに憧れを持っていません。それはあきらめから来るという人もいますが、僕はそうではなく、本当に人間らしく生きたいという前向きな気持ちから生まれてきている流れだと思います。
「半農半X」って言葉は聞いたことあると思いますが、自分が生きるために必要な食糧は自分の畑からとれるので、残り半分の時間は、自分が本当にすきなことをして現金収入を得るというライフスタイルです。
こんな生き方は理想だなぁとは思いながらも、そんな土地は無いとか、周りはじいさんばあさんばかりで実際寂しいんじゃないかな、、とか言ってなかなか踏み出せない若者たちはたくさんいると思います。
そんな彼らのために、「半農半Xの起業家村」を作ってあげる。休耕地を彼らの農地として提供し、使っていない古民家を住まいとして貸し出す。そして、村全体にインターネットは完備。
入居の条件は、自ら事業を起こすこと。
インターネットがあれば田舎でもできる仕事はたくさんありますし、その村で作る農作物をインターネット販売しても良い。うまくいけば、食品加工施設を村に作るでしょうし、そうすると大きな雇用を生み始めます。みんなが半農半Xを実践している起業家のコミュニティーがあったら、それに入りたいと思う人は山ほどいると思いますし、若い人が集まってくることで、地域も活気づいて、地元のおじいさんやおばあさん達も喜んでくれると思います。
③
結果として、自分一人では、なかなか勇気が踏み出せなかった若者が、半農半Xを実践している起業家コミュニティーに入ることで、起業家としての一歩を踏み出すことができる。そして、絆の強いコミュニティーにいるからこそ、お互い助け合いながらなんとか事業を成功させていく。
そして何より、休耕地が活用され、過疎地に若者が集まり、村は活気づき、そして若者は理想のライフスタイルを手に入れる。天神とかそういう中心地は、ほっといても人は集まると思うんですよ。
起業家を支援して、街を活気づけるということであれば、一番必要なのは、田舎にどう若者を呼び込むのか?企業が存在しない田舎に若者を呼ぶためには、サラリーマンとして企業に属した生き方をするつもりはない若者=起業家を呼び込むのは一つの手だと思います。
なんだか、ダラダラ書いてしまいましたが、ちょっと考えだしたら、楽しくなってついつい長文になってしまいました。生意気書きましたが、僕のアイディアでした!
参考になれば幸いです。
田口
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まるで、暇人のように自己満的な長いメールを返してしまっておりますが、僕は別に暇人じゃないです。(笑)
電車でこの返事書いてて「あっ、これもブログに転載しよう」と思ったので、実はちょっと長くしたんですね。
というのも、先日書いたTEDxFukuokaのブログ「人間はできることがあれば、できないこともあって、プラスマイナスみんなゼロ@TEDXFUKUOKA」で講演者の小竹めぐみさんの話を書いていたら、小竹さんがこのブログを読んでくれたらしく本人から連絡があって『今度会おう!』って話になってですね。
もしかしたら、この話も何かのご縁につながれば良いかなぁと思って、ブログ用に転載してみました。
というのも、ボーダレスには、本気で地方活性化をしたいというメンバーが何人かいますので、彼らが具体的なアクションを起こすきっかけとなる出会いが産まれるかもしれないなぁと思いまして。
何かボーダレスにお手伝いできることがありましたら、是非お気軽にお声がけください。