
数年前からメディアでよく「フードロス問題」という言葉を目にするようになりました。
フードロス界隈で活動している人の中では"2018年がフードロス元年だ"なんて言われたりしています。
消費者庁の統計データによると、日本は年間約600万トンもの食品ロスを排出しているとされています。
世界全体では生産した農産物のうち1/3は廃棄しているのが現状です。
(※食品ロス...まだ食べられるのに廃棄される食品のこと)
私、竹下友里絵が運営するタベモノガタリ株式会社では、フードロスの中でも「規格外野菜のフードロス問題」に焦点をあてて事業を行なっています。
(規格外野菜のフードロスに関しては前述の統計データの中に含まれていないのですが、長くなるので興味がある方は政府統計を調べてみてください!)
|規格外野菜とは
規格外野菜というと、二股の大根やひび割れたトマトなど、いかにもワケがありそうな野菜を想像される方が多いのではないでしょうか。
しかし実際には次のようなものが規格外とされています。
例えばとある地域の梨。
黒星という表面に斑点がつく病気ですが深く剥く必要もなく普通に向いたら中身はおいしい。
しかし斑点が5個以上あると規格外。
5個未満だったら出荷して良いという決まりがあります。
とある地域のズッキーニの規格は180g未満であること。
185gだったら規格外で出荷できません。
写真で言うと右3本は規格外で出荷できず、販路がない場合廃棄せねばなりません。
そして最後にブロッコリー。
ブロッコリーの規格は直径15cm以内で上から見てまんまるか。
写真の20cm以上あるブロッコリーは規格外です。
(誰や私の顔で小さく見えるって言った人)
なぜ規格があるかまでお話しすると論文みたいになりそうなので気になる方はこちらからご覧ください。
ジレンマ: 「規格外だから」という理由で安く仕入れていいのか?
この事業をやっているとよく、「規格外野菜だから安く仕入れているんですか?(もしくは安く仕入れられますか?)」という質問を非常によくもらいます。
しかしここまで読んでくださったあなたなら私の疑問を共有できるでしょう。
斑点が5個未満だったら250円で仕入れるけど、5個以上だったら125円にしてくれる?
180g未満だったら150円で仕入れるけど、180g以上だったら75円にしてくれる?
...あなたは規格外野菜を通常価格の半値で買わせて、なんて農家を目の前に言えるだろうか?
私の答えはNOでした。(厳密には訳ありと呼ばれるレベルのものは値引きは必要だと思っていますが。)
そもそも野菜の価値は何かというところに遡りますが、私が考えるには見た目ではなく味だと思っています。多少見た目が悪くても、大きかろうが小さかろうが、食味が変わらずおいしいのであればそれは同等の値段で扱うべきだと思っています。
しかし例えば傷がついた部分を削ぎ落とさなければいけないから食べられる量が減るよね、だったり、日照不足で色が悪いけど味もあんまりのってない、みたいなのは食味への影響があるので値引きをする必要があると思っています。
規格外だからと一律で安く仕入れた方が利益を考えるなら絶対良いけれど、農家と一緒にやっていこうとするソーシャルビジネスとしてはどうなのか、竹下はいつも悩まされます。
みなさんだったら、この問いにどう答えますか?