こんにちは、JOGGO、UNROOF代表の太田です。

今回は2021年2月1日に販売開始するJOGGOの初のハイエンド新商品Enishi(縁)シリーズの販売開始に至る背景をお伝えしたいと思います。

2020年1月にジョッゴ株式会社に統合でやってきたUNROOF事業部のコンセプトは、障害を持っていても輝ける社会へ!というもので主に精神障害、発達障害を持った方々が革職人として、また障害者枠などでなく一社会人として活躍することを目的としています。

 

実現するために重要視しているのは個性を活かすこと、人は一人一人違うというDiversity & inclusionのマインドをしっかりと根付かすことです。

コンセプトの響きはいいものだと多くの方に共感して頂きますが、実情はまだまだ課題が多くあるのが現状です。

 

一つはUNROOFの独自ブランドの売り上げが厳しいことです。

こちらは今までの失敗を学びとして、販売促進のメソッドを根本的に変更しなければいけません。

 

もう一つはJOGGOの超特急便の今の生産体制だけでは限界があることです。

実はJOGGOの超特急便を生産してくれているのはこのUNROOFの職人さんたちであります。

そのJOGGOの超特急便とUNROOF独自のブランドの革小物が主力製品で運営をしています。

JOGGOの商品は革製品のパーツの配色をお客様が自身で選べるカスタマイズできるあなたの想いをカタチにするサービスが特徴であり多くのお客様にご利用いただいていますが、その性質上、受注生産をしております。

受注生産の良さは無駄な在庫を持たないため在庫管理にかかるコストが極めて少ないことと何より素材を大事に使用できるためよりサステイナブルな運営が可能になることです。

 

課題というのは全て丁寧に手作りで生産しているため1日に作れる個数に限りがあること、JOGGOの商品は主にバングラデシュの生産なので本革だけど低価格で販売可能なため日本の職人の工賃に合わないことです。

受注を受けてから8日以内にお届けすることがサービスの定義なので休日を加味すると3日前後で受注した生産個数を仕上げる必要があるためクオリティーとスピード両方のパフォーマンスを常に出せなければ成り立ちません。これがかなりストレスが多く、強固な精神を持った人でも毎日続けるのは容易ではありません。

障害の有無に関わらずその生産ができる職人さんもいれば、そういった生産方法が向いていない職人さんもいます。

個性を活かすことがコンセプト達成への重要な要素になるので今までのビジネスモデルをより個性が発揮できるモデルにシフトチェンジする必要があると考えました。

大きく分けると日本の職人に見合った工賃の実現、そして今までなかった一点もの商品も開発や各々の職人のセンスを活かしたこだわり商品開発です。

 

その先駆けとして今回はMade in Japanにこだわり、ハイエンドアイテムを販売することを決意しました。

日本で食用に育てられた牛の皮を原材料として神戸の腕のあるタンナリーにて作られたオイルスムースという革を使用し久米川の職人が手作りで生産して、ヤマト運輸でお届けするという日本の和(輪)をコンセプトにしました。

 

このオイルスムースは革づくり1000年以上の歴史がある姫路で生まれた国産レザーです。革本来の表情が楽しめるよう、タンニン(植物由来)の多い加工法や染料のオイルを採用していて、時間を経つごとに表れる唯一無二の色味や風合いがあり、スムースレザーならではのさらりとなめらかな表面、オイル仕上げによって生み出される上品な艶感は主張しすぎない質感や色味が特徴のため、年齢性別問わず落ち着いた上品な印象を与えてくれる逸品になっています。

近年薄い財布やミニ財布の露出が目立っておりますが、実はまだまだ長財布や二つ折り財布は大人気です。より多くの方にUNROOFを知ってほしいので不動の人気である長財布と二つ折り財布の2点のカテゴリーで開発を進めました。

 

我らJOGGOが誇るデザイナー、ジョルノが先生とも呼べるクリエイティブディレクター、株式会社C5goの代表を務める山崎創造氏とそして久米川の職人とJOGGOのフロントスタッフ一丸となりデザインしました。実際、何回も試行錯誤を繰り返しました。

サイズ感、収納力はもちろんのこと、細部に至るまで何回も話し合いを行いました。仕様確定日当日にやっぱり違う、このままでは生産できない、と職人から声が上がり再度やり直しを重ねました。たまにPop up shopも開催しますが基本はECのみでの販売のため表側の見た目がシンプルすぎるところが最大の課題の一つでした。

我々の行った市場調査ではブランド名を表に見せたくない方がたくさんいることに気が付きました。ブランドを主張することはある意味ビジネスの基本ではありますが、JOGGO X UNROOFはお客様の想いを重要視する基本に立ち返り、ブランドロゴは中側にいれることにしました。

そんな試行錯誤日々がまさにJOGGO X UNROOFになっています。

 

このハイエンドアイテムはJOGGOのVisionである「感動で繋がりを」をテーマにしていて『縁』の意味とかけております。また、お財布というのは縁起を担ぐ人も多いため日本の漢字を基本に考えて名付けました。

オイルスムーズを使用していてもJOGGOのあなたの想いをカタチにするカラーカスタマイズを反映させ14色から選べる世界で一つのプレゼントです。

現代は今後世界が大きく変わろうとしている過渡期にあります。

世界情勢なども考えるとUNROOFは単体で黒字化運営できる組織にする必要があると考えています。

 

そのためにはみんなができなければいけない、という姿勢ではなくこの人だからできること、という姿勢に変えていくことが最重要だと思います。

人は一人一人違う、という本質を反映させるのは容易ではありません。

普通、常識、とはその人の生まれ育った環境、性質、経験、知識、そして脳みそや心の構造によって全く違うものですがその根本を理解して体現できるひとはまだまだ少ないのが現状ではないでしょうか。

 

Diversity & Inclusionを取り入れる企業は増えていると聞きます。女性管理職の増加やお子様がいても働きやすい勤務体型などがよくあげられていますがそれらはごく一部の表現であり、神髄は人間はうまれながら平等という精神ではないでしょうか。

 

貧困や差別、争いのない世界にするためには根本的なマインドセットをいかにニュートラルにしてコミュニケーションをスタートできるかが最初の重要なステップだと考えています。

UNROOFは小さなチームですが、取り組んでいるコンセプトは障害者という枠だけでなく、全ての人々にとって深いテーマであり今後無視できるものでも本来無視するべきものでもないと思います。

ジョッゴ株式会社はUNROOFとともにこの課題についてこれからもチャレンジして次の世代へ共有すべく進んでいきます。

2月中にはもう一つのアイデアである、1点ものや職人のこだわりアイテムを販売開始する予定です。実は深いテーマで運営するUNROOF事業部、そしてJOGGOをこれからもよろしくお願い申し上げます。

 

ジョッゴ株式会社

太田 真之

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